この動画は、「UPPAR アイアン」が追求した「打ちやすさ」を実現するために、従来のアイアンセットの概念やシャフトの装着方法にどのような独自の特徴を持たせたかを解説しています。
1. アイアンセットの概念とロングアイアンの課題
アイアンは、単体ではなくセット全体(6本や7本など)としてコースで使用することを前提とし、その中の1本1本のクラブの役割を広げることが開発の目標とされています。
• 前提条件: セットの各クラブにおいて、まず「しっかり打てる」「打ちやすさ」が求められます。
• 理想の機能: 1本1本で、低い球、通常のショット、飛ばさないショットなど、様々な球種を打ち分けられるようにすることで、セット全体の使える範囲が広がると考えられています。
• ロングアイアンの課題: 一般的に難しいとされるロングアイアン(5番アイアンなど)には、「距離の差が出ない」ことと、「長さがある分、当たりにくい」という問題があります。
2. 打ちやすさ向上のためのアプローチ
これらの課題を解決するため、UPPARアイアンでは、ヘッドの軽量化と、シャフトのユニークな装着方法が採用されています。
• ヘッド重量の調整: ヘッドの重量を軽くすることで、操作性を向上させています。
• シャフトの「番手ずらし」: シャフトの番手をずらして装着する「番手ずらし」を採用することで、クラブを当てやすくする工夫がされています。これは、朝一から5番アイアンが打てることや、押さえられたショット、低い球が打ちやすくなることを目指しています。
• シャフト選定の基準: シャフトは、球数(ボールスピード)への影響よりも、「タイミングが取りやすいもの」であることが最も重要視されています。
3. ワンレングスとの比較と独自の構成
一般的なアイアン開発における選択肢として「ワンレングス」(番手間の長さが揃っているクラブ)がありますが、ワンレングスは振り感が揃い、番手感の違和感は少ないものの、距離の差を出すのが難しいという欠点があります。なぜなら、距離の差は長さの差によるヘッドスピードの差に依存するためです。
UPPARアイアンは、ワンレングスのように振り感が揃いつつも、距離の差を確保することを目指しています。
採用された具体的なシャフト構成の例(番手ずらし):
| 番手相当 | ロフト | 装着シャフト | 備考 |
| 5番アイアン相当 | 27度 | 7番のシャフト | – |
| 6番、7番、8番、9番 | – | 8番のシャフト | – |
| ピッチングウェッジ | 48度 | ウェッジ用の軽めのシャフト | アッパーウェッジで採用されたもの |
長さの調整:
特にロングアイアン側(5番、6番、7番の間)では、ヘッドスピードの差をつけやすくするため、番手間の長さの差を従来の半インチではなく3/4インチずつに設定する工夫も取り入れられています。また、長くする分、柔らかく感じすぎないよう、より硬く感じるシャフトを用意する考えも示されています。
4. 結果と効果
この独自のシャフト構成(番手ずらし)の結果、振動数(硬さの目安)が近くなり、実際に振った際の「振り感」が番手間で揃い、違和感が少なくなる効果が得られました。
その結果、ゴルファーはクラブの長さの差通りに振れるようになり、ヘッドスピードの差が生まれ、ロフトの差通りの距離の差を適切に表現できるようになりました。これにより、違和感なくしっかり振れるアイアンセットが実現されています。
